東京高等裁判所 昭和25年(う)94号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
元来犯罪事実を認定するに当り自白の外に補強証拠を必要とすると云うのは自白と補強証拠と相俟つて犯罪構成要件に該当する事実を総体的に認定することができることを必要とする謂いであつて、犯罪構成要件たる各事実毎に被告人の自白の外その裏付けとして常に補強証拠を要するという趣旨ではない。故に自白以外の補強証拠によつてすでに犯罪の客観的事実が認められ得る場合においては、就中犯意とか知情とかいう犯罪の主観的部面については自白が唯一の証拠であつても差支ないものといいうる。故に本件の場合前記被告人等が夫々八坂某から金品の交付を受けた各趣旨の点につき各当該被告人の検事に対する供述調書の自白以外に直接の証拠がないにしても之を以て刑訴法三一九条二、三項に違背するものということはできない。